なぜ今小牧市で、「新図書館計画」の住民投票が行われるのでしょうか?

  • 小牧市では、平成19年から市民の声を取り入れた新小牧市立図書館建設基本計画が策定されてきました。
  • この基本計画は、市民アンケートや、市民団体へのヒアリングを通じて、市民の意見を元にまとめられ、「みんなの情報と交流のひろば」として具体化されていきました。
  • 建設基本計画では、こういった市民の要望を実現するための、施設のあり方や運営の在り方にも検討が行われました。
  • しかし、「現在の図書館建設計画」は、建設基本計画に沿って進められていない様です。

「現在の図書館建設計画」は、この基本計画を離れ、「ツタヤ図書館」のための計画になってしまっているのではないかという懸念が生じています。
このため、「現在の図書館建設計画」を白紙に戻し、本来の「新小牧市立図書館」の建設を求めて、住民投票が行われることになりました。

新小牧市立図書館建設基本計画書~基本方針

ツタヤ図書館の問題

佐賀県武雄市や神奈川県海老名市では、ツタヤ図書館の運営手法が問題になっています。

武雄市で行われた、地域資料や映像資料の破棄や、系列の新古書店等からの在庫を蔵書として購入した問題はメディアでも報道されましたが、 地元だけにしかない地域資料を破棄することや、図書館の蔵書構成の考慮もせずに本を選んだり、海老名市で行ったように、本ですらない「メガネふき」や「タジン鍋」を、書店で流通しているからと言って選ぶことは、図書館を運営するノウハウを持つ会社であれば考えられないことです。

武雄市では、公共図書館を商業施設に作り替えることで、初年度は珍しさもあって、来場者数が大きく増加しました。しかし一方で、貸出を受ける利用者の率、平均冊数ともに大きく減少しています。統計は、商業施設は成功し、図書館の魅力は低下したことを示していますが、商業施設が物珍しさで集客ができるのは短期間のことです。図書館は長い時間を掛けて市民と共に成長していく施設ではないでしょうか。

「ずさんな選書」を報じた雑誌・新聞

小牧市での市民への説明

平成19年から市民の声を取り入れながら策定されてきた新小牧市立図書館建設基本計画と全く異なる形に方向転換した「現在の新図書館建設計画」。これは、市民の皆さんにどの様に説明されてきたのでしょうか。

  • 平成21年3月 新小牧市立図書館建設基本計画 策定
  • 平成26年7月 「遠くからでも行ってみたいと思われる図書館、また来たいと思われる居心地のよい図書館とすることで小牧駅周辺の賑わい創出につなげる。」としたプロポーザルが実施
  • 平成26年8月 BOOK&CAFEを展開するCCCとTRCへ設計アドバイザリー業務委託
  • CCC・TRCの設計アドバイスで、「BOOK&CAFEを自主事業として展開する事」が提案される

この提案によって、武雄市と同様に、他地域からの観光客を呼び込み「小牧駅周辺の賑わい創出につなげる」ことを主目的とした図書館に大きく方針を変更することになりました。
「賑わい創出」を狙った図書館は、全国に数多くありますが、地域の利用者の継続的な利用による賑わいでなく、観光客を呼び込むこと狙った施設にすると、市民が利用する図書館とは性質が大きく異なった施設になります。実際、武雄市では、視察客への対応のために市民の利用が犠牲にされる。混雑のために市民がゆっくり図書館を利用できない。中高生の図書館の利用ができなくなると言った問題が発生しています。
一方で、観光客のための施設としては、滞在時間のほとんどをこの施設で過ごし、飲食・お土産までが完結するために、周辺の商業施設にお金が落ちないばかりか、以前から営業していた店舗は顧客が流れて経営難に陥るという、税金を使って地元の事業者の経営を圧迫する状況まで生じさせています。

「市民のための施設」を作るのか、それとも「観光客のための施設」を作るのか。これは大きな方針の違いですが、小牧市はどの様な図書館になるのかを十分に明らかにしてきていません
添付の画像は、情報公開請求によって開示を受けた「現在の新図書館建設計画」の提案書の一部です。どの様な図書館ができるのか、どの様に賑わい創出がなされるのか、肝心な部分が全て墨塗りされています。
小牧市は、どの様な図書館ができるか分からない「現在の新図書館建設計画」に賛成を求めています。

提案内容が墨塗りで開示された提案書

住民投票にむけて

10月4日(日)に行われる住民投票。この様なことを考えてみてはいかがでしょうか。

新小牧市立図書館建設基本計画書~基本方針

市民のための図書館を

市民との対話を積み重ねて作り上げられた、新小牧市立図書館建設基本計画では、「みんなの情報と交流のひろば」として「市民みんなのための図書館」が作られるはずでした。「現在の図書館計画」は、この計画と異なった方向に進んでいませんか?

「ずさんな選書」を報じた雑誌・新聞

ツタヤにお任せで大丈夫?

ツタヤを運営するCCCは、図書館運営の経験を十分に持たない企業です。佐賀県武雄市では地域資料を廃棄して、新古書店から今となっては、実用にならない実用書を購入して問題となりました。同じ問題が、神奈川県海老名市でも明らかになりました。
武雄市では、図書館運営の経験を持たない企業が、商業施設としての見かけを優先して設計した本棚や配置が、図書館としての機能を損なっています

提案内容が墨塗りで開示された提案書

みんなで作る図書館に

せっかくの新図書館建設です。どんな図書館を作ろうとしているかを市民に明かさずに賛成を求め、計画が進められることで、市民の思いと異なる施設が作られることになっては残念です。
市当局が、ツタヤの言いなりではなく、市民に情報を公開し、意見交換を求めることを通じて、ツタヤのためでなく市民のための図書館が作られることを願っています。

さらにくわしくお知りになりたい方へ

リンク集

このページを作るにあたり、以下のページを参考にさせて頂きました。

新小牧市立図書館建設基本計画

平成21年度に策定された、新小牧市立図書館建設基本計画とその経緯です。

なぜ今、「新図書館計画」の住民投票なのか

小牧市の住民投票についての説明チラシ(PDF)です。

たけお問題文書館

武雄市のツタヤ図書館などの問題に関する経緯を辿るための公文書を中心とした資料集です。

シリーズ武雄市TSUTAYA図書館 過去記事一覧

私がこれまでに書いてきた、武雄市ツタヤ図書館に関する記事の一覧です。図書館の機能の問題に関しては、武雄市図書館について頂いたメールへの返信の記事が、蔵書の廃棄に関する問題に関しては、武雄市図書館・歴史資料館の改修にあたって廃棄された蔵書・視聴覚資料の一覧の記事がおすすめです。

この他、Twitterのハッシュタグ、#公設ツタヤ問題での議論を参考にしました。