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■1 シリーズ武雄市TSUTAYA図書館(31) - 続・検証「9つの市民価値」[https://www.nantoka.com/~kei/diary/?20151018S1][図書館][武雄市][CCC][TSUTAYA図書館] このエントリーをはてなブックマークに追加

みんなの図書館 1997-11 前回の、 検証「9つの市民価値」[https://www.nantoka.com/~kei/diary/?20151018S1] で、宿題にしていた「365日、朝9時〜夜9時までの開館時間」について検討したいと思います。
まず、 「図書館をいつ開けるか?」[http://id.ndl.go.jp/bib/4315995] *1 という問題。決して簡単な問題ではありません。
長時間開いていた方が便利。休日が無い方が便利。と、多くの方が一見、感じられると思うのですが、それが本当に図書館サービスの向上に資するかということで言えば、ただ長時間開いている、毎日開いているというだけでは、必ずしもサービスが向上するとは言えないのです。
このことを検討するためには、図書館の費用構造や、図書館サービスとは何か、そもそも開館時間の延長は何を目的としたものなのかといった議論が必要になりますので、今回はこういった、開館時間の延長を考えるためのいくつかの背景を説明してみたいと思います。

図書館の費用構造:

公共図書館の運営経費の構造ですが、もちろん図書館毎に状況の違いはありますが、ほぼ半分がスタッフの人件費に充てられているという状況と想像して頂いて間違いはないと思います。
人的なサービスを提供する施設である以上、これは当然の構造なのですが、この費用構造の側面から見て、費用対効果が最大化されるポイントを検討することができます。
非正規雇用の割合を増やしていけば、開館時間の延長には対応しやすくなりますが、これは図書館サービスの質的な低下を伴います。非正規雇用の人が提供するサービスが低いという事では無く、不安定な勤務形態がもたらす結果です。
人件費が費用構造の中で大きいウェイトを占めているという構造を考えますと、開館時間を延長する事は、人件費一定という制約の下では、質の低下をもたらすということです。

図書館サービスとは何か:

開館時間の延長の声が多い背景には、開館時間を延長することにそれほどのコストが掛かるとは思えないという理由もある様に思います。
例えば、コンビニやレンタル店が深夜まで、あるいは24時間開店しているのと同様に、図書館も開館すれば良いと考えられるのでしょう。貸出や返却は、バイトでもできる。そう難しいことでは無いように思えます。
しかし、図書館が提供するサービスの中で、本の貸出はごく一部のサービスに過ぎません。
利用者が図書館資料を利用する上での相談に応じる、レファレンスという大切な役割があります。貸本屋と図書館を分けている役割の一つと言って良いと思います。
もちろん、この他にも図書館が担っている役割はたくさんあります。しかし、その時間に来館する利用者にレファレンスサービスを提供しないのであれば、「図書館サービスを提供している」とは言えないと思います。

開館時間延長の目的:

ここで、「レファレンスサービスなんていうのは一部の利用者しか利用しないサービスなのだから、貸出さえやってくれれば良いんだ」という意見もあるのではないかと思います。
確かにそれは考え方としてはありだと思います。貸出機能だけは夜間も提供する様にしようという考え方です。
実は、そういうサービスを提供している図書館は既にあります。貸出ロッカーを使用すれば、無人で24時間貸出が可能となる訳です。
目的が「貸出時間の延長」なのだったら、図書館全体を開館しておく必要は無く、貸出ロッカー等を利用すれば、人件費だけでなく光熱費 *2 も節約できますし、夜間等と言わず、24時間、貸出・返却に対応することも可能になるのです。

まとめ:

こうやっていくつかの論点を見てきましたけれど、私はツタヤ館の開館時間と言うのは、公共図書館としての機能の面から見た場合、中途半端な設定だと考えます。
図書館のフルサービスを提供するのであれば、日中でさえレファレンスカウンターにスタッフがいないという状況はあり得ませんし、休館日や夜間にしか、貸出を受けられない利用者に貸出サービスを提供しようと言うのであれば、自動貸出機を導入している位ですから、貸出ロッカーでの提供は考慮されて然るべきだったと思います。
では、どう考えて今の開館時間になっているか。結局のところ、ツタヤやスタバの営業時間に合わせただけなのではないかと考える訳です。
ツタヤ館の構造。店舗だけ営業するという事が難しい構造になっています。例えば、蔵書点検で図書館だけを休館するとか、店舗の営業時間を延ばすという事が難しい訳です。
これは、商業施設と公共施設を混ぜ込んだために生じた重大な欠陥だと思います。
建築の世界で使われる「縁を切る」という言葉があります。建築物の構造上、お互いに影響を与えない様に、敢えて切り離すことを言うのですが、この「縁の切り方」という見方は、複合施設のデザインを見る上で大きなヒントを与えてくれるように思います。 お互いの独立した機能には影響を与えない様にしつつ、意匠上の一体感や相乗効果を望める…複合施設にあっては、そういうデザインが理想だと思うのです。
そういう意味で、ツタヤ館とは異なるコンセプトを持ってデザインされた施設として、「桶川マイン」を見ています。一体感は持たせながら、独立して営業できるようになっている訳です。
こういう施設であれば、お互いの施設にあった営業形態を選びながら、相乗効果を望めたのかも知れません。

(2015-10-25)本稿書きかけという感じもあるのですが、このままいじっていると、いつまでたっても公開できない様な気がするので一旦公開します。いつか追記をするか、別の記事で。

*1: 特集 図書館をいつ開けるか?. みんなの図書館 / 図書館問題研究会 編.. (通号 247) 1997.11. 1〜61 ISSN 0386-0914
*2: 公共図書館の経費の中でも、結構な割合を占めます。資料費より多いというのは稀だと思いますが、資料費と比較できる程度の割合になっている館が多いと思います。

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今日のつぶやき

  • カルチュア・コンビニエンス・クラブという会社名。「文化」を「手軽」に「会員制」で提供するということですよ。「グロービスMBA事業開発マネジメント」に書いてあります。「会員制」…なんとも公共図書館にそぐわない言葉だと思いませんか? #公設ツタヤ問題2015-10-25 00:00:34 Twitter Web Client
  • そして、その「会員」という感覚をそのまま公共図書館に持ち込んで運営している訳です。「武雄市図書館の全会員」で検索してみて下さい。CCCにとっては、「利用者」ではなく、「会員」なんです。 #公設ツタヤ問題2015-10-25 00:04:53 Twitter Web Client keikuma宛て
  • 私は、行政は信頼されるべきものだと思っているので、海老名市当局としては、この状況を改善させるべく何らか対策を取られることを、まだ期待しています。そして今、行政が市民の側に立つのか、それとも武雄市の様に業者をかばう事に汲々とするのか…市民は注目していると思います。 #公設ツタヤ問題2015-10-25 00:10:00 Twitter Web Client
  • …この件。感情的に不満をぶつけるのもそれは市民の主張としてはあると思いますし、行政はそれを汲み取る必要があると思うのですけれど、理路整然と文書を作られるのであれば、いくつか読まれると良い資料がありますので紹介します。まずは「図書館法」「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」…2015-10-25 00:17:19 Twitter Web Client keikuma宛て
  • …そして、これは法ではありませんが「図書館員の倫理綱領」。海老名市立図書館に関する業務要求水準書には、「指定管理者は、地方自治法、図書館法、著作権法、図書館関連例規および要綱要領等の規定を遵守すること。」とあります。これを遵守していない点があれば、是正勧告がなされるでしょう。2015-10-25 00:24:36 Twitter Web Client keikuma宛て
  • ……なお、海老名市立図書館の指定管理者の募集が行われた際の、募集要項、業務要求水準書等は、当時ネットで公開されていたものを保存してありますので。参照ください。 https://t.co/s4QwTZqRqe https://t.co/kKT1XFX94S2015-10-25 00:29:28 Twitter Web Client keikuma宛て
  • @a_sue 行政版ストックホルムシンドロームですね。武雄の場合はちょっと違って、一蓮托生だったので状況が違うのですが、ストックホルムシンドロームだったら、まだ見込みはあるかなと思います。2015-10-25 00:37:07 Twitter Web Client a_sue宛て
  • RT @toshikawahara: これはその通りで、先日海老名に行った時も、やはり、お孫さんにせがまれて商品を買ってあげるお婆ちゃんに遭遇したわけですよ。児童コーナーに行くには商業スペースを必ず通らなければ行けないわけで、つくづく「よく出来た」仕掛けだと思ったね。 http…2015-10-25 00:51:17 Twitter Web Client
  • RT @yamada_5: しかし、多賀城市の小学校の学校図書館がすでにCCCに汚染されていたとは。ということは、多賀城市の小学生は中学校に上がるまで(中学にまともな学校図書館があればだが)図書館の使い方やNDCを学ぶ機会を奪われるということか。まさか小学校では本を探せない謎分…2015-10-25 01:17:35 Twitter Web Client
  • RT @yamada_5: CCCに学校図書館を任せるなんて、その市の子どもだけ小学校で漢字を教えてもらえないようなレベルの学習上のハンディキャップを子どもに負わせることになるのに、多賀城市の親御さんたちは理解しているのか。2015-10-25 01:17:40 Twitter Web Client
  • RT @310A: CCCの高橋氏は、平成27年度から多賀城市図書館の窓口業務を中心とした業務委託と、小学校6校への学校司書の派遣をしていると述べている。2015-10-25 01:17:55 Twitter Web Client
  • RT @ke_1sato: 諸々の不備に対して、決定権を持たない現場の職員を責めても仕方のないこと。図書館の管理運営に責任を持つ行政当局へのクレームという形が望ましい。これは厳にお願いしたいところ。2015-10-25 09:44:24 Twitter Web Client
  • RT @ksuoy: 市議さんが要求した資料にも現場のクレームは集計されていませんでしたね。Eメールは集計されているようなので有効ではないでしょうか。「反対派」扱いされて無視されるのを防ぐには、書留か配達記録の郵便ですかね。2015-10-25 09:44:35 Twitter Web Client
  • RT @codowgen: 究極的には行政サイドの問題になる。適切な行政手続きが踏まれているか。TSUTAYA図書館ありきではないか。という疑問は図書館運営のあり方を議論するのとは全く別のレベルで取り扱われなければならない。2015-10-25 09:44:43 Twitter Web Client
  • RT @seihinop: 「本棚の本をは取ってと言われたら困るから偽物です」にしても「分類は発見重視で企業秘密です」にしても利用者をバカにしてるとしか思えないよ。使う人をなんだと思ってるんだろう。
    「本棚の本読まなくていいし、必要な本見つからなくてもいいです」って言ってるよう…
    2015-10-25 09:54:00 OpenTween
  • RT @senryoAIIT: 桶タワシの「ジャージ」とか「他の図書館に行け」とかいうの、実は吹き込まれたって可能性はないだろうな?利用者を「反対派」とかいう図書館長のボスから。
    企業としての差別化戦略なら、口に出さなくてもその発想はあり得る。ただ、普通は外に向かっては言わない…
    2015-10-25 10:07:37 OpenTween
  • …本来はですよ。図書館の問題は、図書館の職員や利用者や他の図書館といった、図書館内部で解決された方が良いのだと思いますし、それが図書館本来のあるべき姿であって、そういう規律によって、行政からの図書館の運営への介入からも図書館の自由を守ってきたという経緯があることは承知しています。2015-10-25 11:57:12 Twitter Web Client keikuma宛て
  • …「行政に要求することは、図書館の自由を揺るがす」とかいう批判は一般論としては分かります。でも、あれ、図書館じゃないでしょう。そして、自ら解決しようとしていないでしょう。行政に対して、図書館なのだから図書館として運営して欲しいと要求することは、図書館の自由を確保する要求ですよ。2015-10-25 12:01:15 Twitter Web Client keikuma宛て
  • RT @ke_1sato: この話題、最初から閉架書庫を残していたとしても、そこに職員が出納作業で入ることも余計な仕事として面倒がっていたのではないかと思わされる。

    本来やるべきはずの業務を企業側への迷惑行為と見なしているとしたら、これはやはりどうかしている。
    2015-10-25 12:27:59 Twitter Web Client
  • RT @senryoAIIT: 「素人」の実績
    「ど素人」発言について。TRCの存在が利用者に一定の安心感を与えたことについて。
    「てっきり書店はCCC、図書館はTRCと分担するのかと思った。」利用者談
    #海老名市図書館 #ツタヤ図書館 #公設ツタヤ問題
    2015-10-25 12:28:25 Twitter Web Client
  • RT @senryoAIIT: 「攻防」の末に
    TRC谷一会長談。
    「館長として赴任した当初はCCCとの協定が交わされておらず、改装後の中央館の運営方針は未定だった。」
    谷一氏が館長在任中に中央館にあった千冊近い郷土資料を有馬図書館に移したとのこと。
    #海老名市図書館 #ツタヤ…
    2015-10-25 12:28:29 Twitter Web Client
  • …このあたり、TRC谷一会長とCCCの図書館に対する考えはゼンゼンかみ合っていなかったと、確かに感じる部分はあるのですね…2015-10-25 12:30:46 Twitter Web Client
  • …海老名市担当「図書館の雑誌が減ることが懸念される。」 / CCC担当「どのタイトルを残すかは協議させてほしいが、基本的に雑誌は販売を中心にする。販売のタイトル数を大幅に増やすので、館内閲覧できるタイトル数としては大幅増となる。」…と販売と図書館の蔵書の違いが分かっていない発言。2015-10-25 12:33:37 Twitter Web Client keikuma宛て
  • …対して、TRC谷一会長「図書館の価値はアーカイブ機能にあるので、図書館の購読雑誌を減らすのは反対。」と、図書館の立場から。これにCCC担当が「基本的に雑誌は販売を中心にする。館内閲覧できるタイトル数としては大幅増となる。」と繰り返す…というのが、TRC本社で行われたやり取り。2015-10-25 12:36:17 Twitter Web Client keikuma宛て
  • RT @mdsch23: 「オレンジジューステスト」を使ってみた。あるいはサービス業の良し悪しを見分ける方法:プロジェクトマジック:オルタナティブ・ブログ https://t.co/XUdJsEOP1x2015-10-25 13:29:04 OpenTween
  • …「コンサルタントの秘密」は良い本です。ITの世界でも、古くても、開架に置く意味がある本と言うのはあると思うんですね。1990年出版。2015-10-25 13:30:45 OpenTween
  • …「ライト、ついてますか」とか、「人月の神話」とかもそういう類の本だと思います。2015-10-25 13:32:18 Twitter Web Client keikuma宛て
  • …3冊とも蔵書なかった…2015-10-25 13:34:40 Twitter Web Client keikuma宛て
  • 海老名市立中央図書館の館長だという高橋氏がいう事も分かるんですよ。会員制の店の会員になっておいて、店の方針と合わない注文をする客には迷惑をしているだろうし、店の方針と合わないんだからお引き取り願いたいし、そもそも会員になるなと。大体、店に来て飲み物すら注文しないのは客じゃないと…2015-10-25 13:39:37 OpenTween
  • …ラーメン店に入っておいて、何も頼まないで雑誌だけ読んでるとか、ライスしか頼まないとか、ラーメンのスープを飲む前に高菜食べちゃうとか、店に合わない客が来ると、それは確かに嫌がらせに思えるでしょう。でも、その施設は、CCCの店ではなくて公共図書館ですし、客ではなくて利用者なんです。2015-10-25 13:44:13 Twitter Web Client keikuma宛て
  • …このやり取りのCCCの主張から察するに、やはり雑誌は「ブック&カフェ」業態の生命線なのでしょう。スタバのワンドリンクが利用料相当で、販売用の雑誌を読ませるという状況は、店舗でも武雄市でも観察されますよね。2015-10-25 14:28:40 Twitter Web Client keikuma宛て
  • MARUMOのブログ: ツタヤ図書館 海老名市中央図書館について https://t.co/Jv8Dwo10zD #公設ツタヤ問題2015-10-25 16:35:29 Echofon
  • RT @todotantan: 海老名市立中央図書館の訪問レポ
    MARUMOのブログ: ツタヤ図書館 海老名市中央図書館について https://t.co/7s7jf2ysti
    #ツタヤ図書館 #公設ツタヤ問題
    2015-10-25 16:35:45 Echofon
  • えっと。食べログで評価が高すぎる店は、評価が分かれる店だ…といった趣旨のツイートをされていたのを引用しようとしているのですが、見つけ出せず…2015-10-25 16:58:18 Echofon
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Bio:前田勝之(まえだかつゆき)。長崎在住。コンサル、SE、プログラマー、 なんとか株式会社代表、非常勤講師(情報セキュリティ)。 セキュアド、テクニカルエンジニア(SV,NW)。サーバ管理とWeb日記を10年ほど。 ネットとリアルの接点に関心あり。食べること・歌うこと・愛すること・作ること・飲むこと。おいしいものがぜんぶすき。

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