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■1 シリーズ武雄市TSUTAYA図書館(9) - システムとポイントについての提案[http://www.nantoka.com/~kei/diary/title.cgi?YEAR=2012&DAY=ALL&CAT=%C9%F0%CD%BA%BB%D4][図書館][武雄市][CCC][TSUTAYA図書館] このエントリーをはてなブックマークに追加

このシリーズ[http://www.nantoka.com/~kei/diary/title.cgi?YEAR=2012&DAY=ALL&CAT=%C9%F0%CD%BA%BB%D4] 。少しずつ色々なテーマについて書いてきましたが、今回は、新しい図書館のシステムとポイントについて、こうしたら良いんじゃないかなというところを考えてみました。
既にTwitterでは、 等と書いて来たのですが、今日はこの提案についてもう少し詳しく書いてみようと思います。

図書館システムと利用者カード:

図書館システムについては、その内容がこれまでほとんど明らかにされてきておらず、会見では、

次です。20万冊の本を中々ね、探すのも大変です。それと、数多くの映画・音楽がそこに加わりますので、圧倒的な検索パワーがないと話になりません。
そういう中で、これも CCCが得意である検索ITソリューションを導入をします。具体的には、 iPadに代表されるような電子端末を、豊富に設置をします。その中で直感的に、例えば在庫検索であるとか、在庫予約であるとか、はたまたダイニング、カフェで注文も、例えば携帯でできる、電子端末でできる、iPad等のいろんな機材でできるということにしていきたいと思っています。

といった感じで、

  • CCCが得意である検索ITソリューションの導入
  • iPadに代表されるような電子端末の設置

に言及されたに過ぎません。蔵書検索は利用者から見えやすい図書館システムの機能ですが、当然図書館業務においては、資料の受入から、貸出・返却、除籍と言った、業務全般を支える裏方の機能が必要で、この部分は、 CCCが得意である検索ITソリューションの導入 によって解決できるものではありません。
また、図書館システムは、検索システム(OPAC=Online Public Access Catalog)と密接に結びついており、資料の受入の段階で、その資料の目録がOPACに登録されて、検索が可能になり、また貸出も可能になるという流れになっています。
さらに、この「目録」は、これまで図書館が受け入れてきた資料すべてについて整備され続けてきたもので、蔵書と同じように図書館の大切な財産です。

新図書館では自動貸出機を導入するということですから、資料のICタグ化を行うのでしょうし、これに合わせてシステムの更改も想定されますが、 システムを更改する際に、新しいシステムに要求されることがいくつかあると思います。
まず、これまで作成してきた目録(MARC=MAchine Readable Cataloging)を移行できること。流通している図書だけを扱えば良いシステムとは違い、絶版となった本、ISBNが付いていない本、郷土資料の様にそもそも流通に乗らなかった本も扱えなければなりませんし、目録に記載される項目も販売用のシステムとは異なってきます。
次に、指定管理者が代わってもシステムとそのデータは使い続けられるものでなければなりませんし、逆にシステムが代わってもデータの移行が保証できるものでなければなりません。
以前に、 酒々井町立図書館システム導入仕様書[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20100910S1] の件で触れましたが、 システムを移行する際のデータ移行の問題は、時としてベンダロックアップの原因 となります。
システム導入時にこの様な対策を行っていないと、 データを人質に取られるような状況が発生する ことは、 笹栗図書館[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20101207S1] のケースで示した通りです。

一方、利用者カードの問題もあります。
新図書館では、Tカードを図書館カードとして利用できるようにするとのことですが、利用者カードは、図書館システムを支えるインフラの一つですから、指定管理者に合わせて利用者カードを決定してしまうと、指定管理者が変更になる際に、全てのカードを再発行して、システムに登録し直さなければならないということになります。
システムやデータは市民の財産ですから そのインフラとなる利用者カードを指定管理者にロックアップされる様な構造にすべきではありません。

この様な観点で見て行きますと、少なくとも、図書館システムの中核部分は、一般的な図書館システムを利用するのが良いように思いますし、実際問題として、来年4月のオープンまでに、CCCがTSUTAYA運営で使用している販売システムを、図書館システムとして作り変えて稼働させることは、相当に困難であると考えます。
一般的な図書館システムを中核として、必要な部分をカスタマイズで開発する というのが現実的な路線だと思いますし、MARCの移行、利用者データの移行、将来のシステム再リプレース時の同様のデータ移行。さらには、CCC以外への指定管理や再直営の可能性等を考えれば、一般的な図書館システムを利用すべきだと考えます。

ポイントシステム:

8つめです。 びっくり仰天。ね?Tカードを。凄いでしょ?今までね、図書館のカード、ね?辛気くさい図書館のカードでした、ウチは。
これが、Tカードに切り替わります。しかもねポイントが貯まるんですよ、ポイントが。これは凄い。
ポイントが貯まる。これについては、今度は 図書館のカードを全部Tポイントカードに置き換えていきます
置き換えた上で、何ができるかって言うと、 本を借りることに関してポイントをつけたいと思っています。
そうすることによって、今まで図書館に縁遠かった層、あるいは図書館といえばなかなかちょっと敷居が高いよねといった層に関して、 ポイントが貯まることによって、その来場をうながす

別の意味で「びっくり」しましたが、
ポイントが貯まることによって、その来場をうながす ことを目的に、 本を借りることに関してポイントをつけたい 。そのために、 図書館のカードを全部Tポイントカードに置き換えていきます 。 という趣旨の様です。
なおこのポイント付与について、CCCとしては、報道ステーションのインタビューに応じて、

ポイント、これもあの、 市からどうしてもポイントを付けたいっていう風に依頼されていまして、まあそういった意味でいくとTポイントも凄く強みだと。

と、 市からの強い依頼によるポイント付与 である旨、語っています。

では、果たして「本を借りて1ポイント(1円)」が、来館を促すことにつながるのでしょうか。 そして、それは図書館の目的であるところの社会教育に貢献するのでしょうか。
1円もらったからといって本を読むものでしょうか。特に、来館時間を延長しないと来れない様な忙しい人達がです。
結局、物珍しさだけに終わってしまうのではないかと思いますし、「1円やれば本を読むだろう」と思われるとすると、私としてはバカにされた様な感触を受けますし、ついでに参考になるかも知れない本を借りて行くということが、その1円のために浅ましい行為の様に思われることがあるとすると、かえって迷惑に思います。

また、図書館は公共の施設です。 公共の施設が、私企業が展開するカードを持った利用者だけに、ポイントという利益を提供することが許されるでしょうか 。法的な問題は措いても、公平性の観点から疑問を感じます。
Tカードを持てない子どもはどうなるのでしょうか。自分の意志でTカードを持たない利用者はどうなるのでしょうか。「私企業のカードを持つ人だけを行政が優遇する」やはりこれはおかしいと感じざるを得ません。

一方で、ポイントを付与している公立図書館はいくつもあります。例えば、 日進市立図書館[http://lib.city.nisshin.lg.jp/riyou/index.html] 。 ポイントを貯めると、「手作りしおり」「ブックカバー」「リサイクル本予約」「図書館ツアー」等のサービスが受けられます。 お金を掛けずに、本を読もうという目標づくりはできているではありませんか。1円を1円以上に使っている例です。

ここで提案ですが、 ポイントの付与を図書の貸出時では無く返却時にして、スタンプカード方式にしてはどうでしょうか。 延滞があったらスタンプは捺してもらえません。延滞が減れば督促が減ります。督促が減れば督促に掛かるコストが節約でき、待っている人も予定通りに本が借りられます。
予約が大量に掛かっている本を1週間で返せばポイント2倍という運用も考えられます。
この様に、「本を借りた人が1円もらえる」ということでなく、「他の利用者のために配慮をした人にお礼の気持ちでスタンプが貯まる」という考え方であれば、特定利用者に対する利益の提供も、肯定できるのではないかと考えます。

また、スタンプカードにすることによって、Tカードを使用しなくてもスタンプを貯めることができる様になりますし、子どもにもどれだけ貯まったかが分かりやすくなります。スタンプカードであれば、例えば、館内のスターバックスでドリンクと交換。記念品を売るというショップで記念品と交換ということもできるでしょうし、もちろん、 Tポイントに交換したい人は、100ポイント等貯めた時点でポイント交換すれば、Tポイントにすることもできる 訳です。この方法であれば、図書館システム自体をCCCのシステムと結合する必要は無くなりますし、館内に出店しているショップの端末で交換すれば、十分対応できると考えます。

読書通帳[http://current.ndl.go.jp/node/21780]:

読書通帳表紙読書通帳中身

こういうことを考えていましたところ、 静岡県島田市立島田図書館が「読書通帳」導入[http://current.ndl.go.jp/node/21780] というニュースを知りました。
ちなみに、この「読書通帳」。貸出中に印字機に通帳を入れると、貸し出している本のタイトルが印刷される というもので、返却後はデータは残りませんし、返却までに印字しなければ通帳にも残りません。
知り合いの図書館員の方も、うちの図書館に導入したいと言っていたものですが、 読書通帳とスタンプサービスの組み合わせ は、通帳に読書履歴が目に見えて貯まって行くのと一緒に、景品交換までの道のりも見える訳で、 特に子どもの読書意欲を引き出すのには、大きな効果があるような気がします。

以上、3つの提案をさせて頂いた訳ですが、果たして実際の計画はどうなっているのでしょうか。 私たち、ネットでこの問題を追いかけている者のみならず、関心を持つ市民の皆さんにも全く具体的な情報は届いていない様です。

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以上、30 日分です。

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