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■1 シリーズ・クロールとDoSの違いと業務妨害罪と(19) - 一般競争入札でのシステムリプレース 酒々井町立図書館[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20100909S2][LibraHack][電子自治体] このエントリーをはてなブックマークに追加

9月8日の記事[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20100908S1] に書いた通り、岡崎市立中央図書館では、本年末にシステムのリプレースを予定しており、サーバ等のハードウェアの入れ替えとソフトウェアのバージョンアップを行うということである。
この発注は、三菱電機インフォメーションシステムズに対する随意契約であり、 毎日新聞社の報道[http://mainichi.jp/area/aichi/news/20100907ddlk23040246000c.html] によれば、この15日に、リース契約の指名競争入札 *1 が行われるという。
さて、この様に、一度システムを入れてしまうと、なかなか他の業者に変更するのは難しくて、リプレース時期がやってくると随意契約。ということになるケースは多い。今まできちんとやってきた *2 業者との関係を一旦切って、入札で新たに選ぶという事になれば、システムが無事に立ち上がるのかとか、データ移行はうまく行くのかとか心配事は多くなる。
役所の仕事は強く無謬性を要求されるから、リスクを避ける心理が強く働き、 稼働中の図書館システムをヨソのベンダーに入れ替えるなんてとんでもない と考えるのは良く分かるし、リスクを取るだけのメリットが無いという主張もあるだろう。
入札で業者を選びなおすことにメリットは無いだろうか。
確かに、システム入れ替え時のリスクは発生するだろうし、システム移行が必要になるから、この金額を加算するとなれば、一見、そのまま使い続けるよりコストが上がると見えるかも知れない。しかしながら、現在の契約企業にはそのコストは発生しないのだから、その優位性を金額に反映させて入札に参加してくるだろうし、受注したい他の企業にもその事情は分かっている。
とすると「入札を行うと調達費用が大きくなる」の主張はやはりおかしい。 「入札にするなら100万円掛かるけど、随意契約なら90万円にまけとくよ」等という事があるだろうか。 あるとすれば、その会社が主張する積算根拠は極めて疑わしい。
入札によって、システム調達価格が下がることはあっても、上がることはまずあり得ないはずだ。
入札を行うとこれまで築き上げてきた業者との良好な関係が損なわれるという主張もある。入札を行うことによって損なわれる関係とは、良好な関係では無く単なるもたれあいでは無かろうか。
むしろ、定期的に入札が行われることによって、 業者との間に一定の緊張感を持った関係が構築される のが正しいのではないか。
リプレース時に一般競争入札(制限付)を行って、結果として異なるシステムにリプレースすることになった、 酒々井町立図書館[http://www.tosyokan.town.shisui.chiba.jp/] を紹介したい。
酒々井町立図書館では、平成22年度末にリプレース時期を迎える図書館システムを入れ替えるに当たり、 一般競争入札(制限付)[http://www.town.shisui.chiba.jp/gyosei/soshiki/zaisei/bid/bid_data/item.php?bid_code=22-42&nendo_alpha=H22] を実施した。
現状、酒々井町立図書館には三菱電機インフォメーションテクノロジー社のMELIL/CSが導入されているが、落札したのは、NECネクサソリューションズであり、 他社のシステムへの入れ替え となる。
入札結果[http://www.town.shisui.chiba.jp/gyosei/soshiki/zaisei/bid/bid_data/data/fixtures/22-42/bid_result.pdf] によれば、落札金額は16,800千円(税抜)。三菱電機インフォメーションテクノロジーの入札金額は17,940千円(税抜)であるから、1,140千円(税抜)の節約ができたということになる。
この酒々井町立図書館のシステム仕様書だが、決して業者任せでなく、図書館側が頑張って書いたという感じがする *3
5. システム基本要件
(1) 道具としての電算システム
質の高い図書館情報処理サービス提供のため、 道具としてのコンピュータの特長を活かせるシステムにし、運用性、機能性、安定性、操作性を重視する。特に機器プログラムは信頼性を重視する。
酒々井町立図書館システム導入仕様書, 酒々井町立図書館, 平成22年6月
こう言い切るのは、素晴らしい。システム屋には書けない項目だ。システムはあくまで手段であるから、システムが既得権益を持っていて、システムの都合に業務を合わせるのはおかしい *4
この仕様書。全般に技術的に難しいことは全く書いていないのだが、利用者視点で当たり前の要求をしている。
さらに、
(11) 契約終了時の取扱
1. 契約終了(リース満了)時には、受託事業者は不要機器を撤去回収すること。また図書館業務データ(蔵書、利用者、予約及び利用状況データ、各履歴等)について図書館の指示によりCSV 等に出力し図書館に引き渡すこと。また、出力データの使用権は酒々井 町立図書館が有するものとする。
酒々井町立図書館システム導入仕様書, 酒々井町立図書館, 平成22年6月
この項目。さらっと書いてあるけれども、この条件によって、 図書館はシステム業者からの自由を獲得している
「規模が小さい町立図書館だからできる話」という反論に対しては、規模が小さい町立図書館でも業者に寄りかからずに自立するために職員が努力をしているという再反論をしておく。
*1: 調達先や保守運用委託先、保守料、調達金額も決まっているので、まさにリース契約の金利と手数料の入札。
*2: かどうか疑わしいわけだが。
*3: 入札にしても、業者に仕様書を書いてもらったら意味が無いのだけど、「仕様書書いてよ」って業者に頼めば、たいていは喜んで作ってくれるし、特定の業者の影が見える仕様書は世の中にあふれている。
*4: のだけれども、良くある。

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