2009年11月10日(火) << 前の日記 | 次の日記 >>
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■1NATがあればIPv6は要らない論[ipv6]次の記事 >> このエントリーをはてなブックマークに追加

某MLで盛り上がっている議論。
デジャブ[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20020312&to=200203123#T200203123] を感じるくらい、繰り返される議論なのだけど、さすがネットワークオペレータが集まるMLだけのことはあって、新たな視点からの主張があって興味深かった。

IPv6 不要派の主張としては、

  1. NATがあればアドレスの節約は可能
  2. IPv6は経路爆発の問題を解決しない
  3. クライアントとNATが協調すれば、より効率的なNATが実現可能
  4. 特定ポートに依存するアプリケーションは改修すれば良い
  5. 大量にセッションを張るアプリ(ブラウザ等)は改修すべき

といったところだろうか。

対して、 IPv6 必要派の反論としては、

  1. NATによるアドレス節約には限界がある
  2. IPv6ならば疎なアドレス付与が可能なので経路が集約しやすい
  3. クライアントを改修できるのであればIPv6も導入できるだろう
  4. クライアントを改修するのならばIPv4の延命よりもIPv6に移行した方が良い
  5. アプリケーションの挙動を制約するのは難しい

といったところの様だ。

IPv6 不要派にも、実は複数の派閥があって、「未来永劫IPv4で十分」派と、「IPv4を延命して IPv6 よりも良い IPng に移行すべき」派がある様だ。

私自身は、この日記で IPv6 絡みの記事を 何度も[http://www.nantoka.com/~kei/diary/namazu.cgi?key=IPv6&submit=Go&whence=0] 書いているくらいIPv6推進派で、この時期になってもIPv6不要論が出てくることについて正直、意外感があった。
この手の議論については「今の」インターネットの利用だけを考えるのであれば、IPv4にNATで頑張れそうなのだけれども、インターネットの利用方法は、質量共に日々革新的に増大し続けているという状況がある。
インフラの提供側としては、インフラの制約が利用の拡大を制約しないようにしたいと考えるだろうし、新たな利用方法が生まれることは市場を成長させることに繋がるわけだから、新たな利用方法に備えてインフラを整備しておこうというインセンティブが存在する。
その昔、 「めぼしい特許は既に出願されてしまったから特許制度はもう不要だ」とか、「640KBあれば十分」とか[http://www.page.sannet.ne.jp/mnagai/msj/openmind.htm] 言った人がいるけれども、インターネットはむしろこれからなのではなかろうか。
だとすれば、「未来永劫IPv4で十分」には無理があって、遅かれ早かれIPngに移行する必要が出てくるだろう。
そこでIPv6に移行するか、もっと待ってその他のIPngに移行するかだけれども、その他のIPngへの移行を選択するためには2つの前提が必要だと思う。一つは、その他のIPngが現在のIPv6並みに普及し実証が行われるまでIPv4が延命できること。もう一つは、新たなIPngは未来永劫さらなるIPngに移行する必要が無いか、IPv6からそのIPngへの移行よりも相当に低いコストで移行が可能であること。である。

RFC1884[http://tools.ietf.org/html/rfc1884] が1995年末に出ているが、 IPv6 にはこの RFC 以前から約15年程度の歴史がある。IPngとしてここまで来るのに15年掛かったということである。IPv6以外の何かを開発するとして、IPv6の経験が活かせるとしても、政治的な手続きに掛かる時間は大きくは節約できないだろうし、今度は「IPv6で十分派」とも対立しながら物事を進めなければならない、例えば5年後にそのIPngが現在のIPv6以上の存在になり得るだろうか。
そして、その5年の延命はインターネットの進歩を前提にしても可能なのだろうか。

IPv6以外のIPngがどの様な設計になるかは知らないが、IPv6はv4の反省を元に、拡張性とシンプルさをうまく両立させた構造になっている様に思う。IPv6の後にさらにIPngを作るとしても、そのIPngは、IPv4からv6への乗り換えの様なドラスティックな変更ではなく、オプショナルな 拡張ヘッダ[http://www.ipv6style.jp/jp/tech/20030425/index.shtml] が増えるような、互換性のあるアップデートで実現可能なのではないかと言う予感がする。
仮に、IPv6では全く対応できないほどの構造変化が必要になるとしたら、逆にその構造は現在は受け容れがたいほど将来を向いたものではなかろうか。その将来が本当にやってくるのであれば乗り換えは不可避であるが、それだけ未来のことを今設計することは、新たなIPngを設計しても無理なのだから、その時はもう一度乗り換えるのは止む無しとして、早いうちに一度目の乗換えを経験しておくのが良いように思う。

そもそも、IPv6の設計思想の根幹がend-to-endなのだから、NATと対立するのは良く分かる。この問題、ひょっとすると民主主義と社会主義の様な思想対立の問題なのかも知れない。

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「IPv6」や「IPv4」が入っていないので関連記事を引っ張れていない。残念。

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