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■1 性犯罪対策/前歴者を把握できる法整備を[http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh050108.htm][news] このエントリーをはてなブックマークに追加

本日のニュースはこの話題が多かった。たまたま見ていた番組は、「加害者の人権か?社会の安全か?」という切り口で、社会の安全のためには加害者のプライバシーを犠牲にする必要があるのではないかと結論づけていた。
子どもを持つ親にインタビューすれば、「社会の安全」を選択する人が多いのは当然であって、恣意的なサンプリングにも問題はあるとして、この様な二者択一をすること自体にも問題があると思う。

システム設計でも、もっと大きく会社の経営方針の決定でも、一般に、「目標(G)があって、そのためにはAを諦めざるを得ないのではないか」という局面で、「Gか?Aか?」という二者択一の隘路に陥ってしまうことが良くある。
私は、これを「二者択一の思考停止」として警戒する様にしている。

「Gか?Aか?」で、Aを捨てる判断をするとして、本来はいくつかの前提条件が必要だけれども、二者択一の思考停止はこれを忘れさせる。

  • Aを諦めれば、Gが実現できるのか
  • 両立する解はないのか
  • Gを実現するためには、Aを諦めるのが最善の方法なのか

今回の問題の場合、情報公開すべきであるという論を支えているのは、「性犯罪者は他の犯罪者に比べて再犯率が高い」「情報公開によって犯罪が減少する」という論だと考えられる。
まず、性犯罪者は他の犯罪者に比べて再犯率が高いという命題は、 世界日報社説[http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh050108.htm] によれば、

強姦と強制わいせつで検挙された容疑者のうち、何らかの前歴を持つ者の割合(再犯率)はここ数年、50%を超え、30%台後半にとどまっている他の刑法犯とは大きな開きがある。再犯率の高さは、性犯罪が他の犯罪と性格を異にしていることを意味している。

としているが、これは少し論旨がおかしい。これだと、様々な犯罪を犯した犯罪者が、強姦と強制わいせつで最終的に検挙された時、前歴を持っていることが多いということで、むしろ、強姦や強制わいせつに至る前に対策すべきと言う結論になる。
一応、 東京新聞[http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041231/mng_____kakushin000.shtml] によれば、

警察庁によると、全国の強制わいせつ事件被疑者の再犯率は約41%(昨年)で、刑法犯全体の平均を5ポイント上回っている。

とあるので、5ポイントの差はあるようである。
但し、この5ポイントの差でもって、「性犯罪者は他の犯罪者に比べて再犯率が高い」と結論づけることができるのかどうかには、以前として危うさが残る様に思う。
他の犯罪の場合は、一度捕まったから次は捕まらない様に巧妙になっているだけだとすると、この程度の差は容易に説明できるのではないか。

再犯率が高いのが事実であったとして、情報公開するなり警察が所在をつかんでいるなりすれば再犯が防げるのかというのも疑問である。
建前としては、更正したから出所するわけで、再犯率が高いとするならば、更正していないのに出所してきているということになる。だとすると、まず、刑期の延長なり、更正プログラムの充実が必要なのではなかろうか。

実際に情報公開に踏み切ったとして、情報を公開した地域では犯罪率が低下するというデータはあるようだ。 ただ、これはその地域が防衛意識を高めたために結果として犯罪が減少しているという話ではなかろうか。
犯人が近隣住民の監視の目の届かない遠くまで出かけていって犯行に及んでいることがないということは証明されているのだろうか。
この場合、より検挙されにくくなるので、結果として見かけの再犯率は低下することになる。検挙されなければ再犯率の統計に反映されようがないからだ。

犯人の人権を守りたくてこういう議論をしている訳ではない。 更正プログラムの一環として薬物療法を取り入れることについては、考えようによっては、より加害者の人権を侵害するのかも知れないけれども、受容できる立場である。
適切な更正を終えないままに出所した加害者が、情報公開によって社会から阻害されると、より多くの犯罪をさらに巧妙な形で繰り返す様になるのではないかという懸念をしている。

根元的な問題。警察庁が出所後の加害者の所在を把握していたとして、検挙率は向上するかも知れないけれども、性犯罪そのものの数は減らないのではなかろうか。

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