2012年06月30日()<< 前の日記 | 次の日記 >>
この日の詳細

■1シリーズ武雄市TSUTAYA図書館(1) - 指定管理者制度について[図書館][武雄市][CCC][TSUTAYA図書館] このエントリーをはてなブックマークに追加

本件、シリーズとして書くことにしたのですが、 Part 0[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20120628S1] を書いた後に、どのあたりから書き進めて行って良いか考え込んでしまいました。
私自身は、単なる図書館利用者であり、利用頻度は高いかも知れませんが、図書館運営の内側については、色々な資料で読んだ程度の知識しかありませんし、図書館について体系的に学んだこともありません。
とは言え、図書館利用者としてこの問題に取り組む以上、間違いを恐れて何も書かないよりは、ご指摘を頂きながら勉強していく積りで、自分が理解している範囲で書き始めないと先に進めないと思い、論を進める次第です。読者諸兄のご指導を期待します。

指定管理者制度:

従来、地方公共団体が設置する、公園や博物館、スポーツ施設と言った、公の施設 *1 の管理・運営は、地方公共団体あるいはその外郭団体が行うことになっていましたが、 2003年6月の地方自治法改正によって、営利企業やNPO等にその管理を「一括して代行」させることができるようになりました。この制度が「指定管理者制度」です。
特徴的なのは、「一括して代行」することを「指定」することであり、窓口委託や派遣の様に、少なくとも法の作りとしては、運営について多くの部分が、指定管理者の裁量に任され、指定管理者のノウハウによって、より効率的な運営や施設の有効活用が図られることとなりました。
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第二百四十四条の二  普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
3  普通地方公共団体は、 公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
8  普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。

図書館への指定管理者制度の導入:

図書館への指定管理者制度の導入に関しては、その定着までに若干の議論がありました。
図書館法[http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO118.html] において、
(職員)
第十三条  公立図書館に館長並びに当該図書館を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める専門的職員、事務職員及び技術職員を置く。
2  館長は、館務を掌理し、所属職員を監督して、図書館奉仕の機能の達成に努めなければならない。
という規定があり、一方、 地方教育行政の組織及び運営に関する法律[http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31HO162.html] に、
(教育機関の職員の任命)
第三十四条  教育委員会の所管に属する学校その他の教育機関の校長、園長、教員、事務職員、技術職員その他の職員は、この法律に特別の定がある場合を除き、教育長の推薦により、教育委員会が任命する。
とあるため、 公立図書館には館長が必置で、その館長は教育委員会が任命する公務員でなければならない ということから、管理を一括して代行するという指定管理者制度の導入は難しいという問題がありました *2
ところが、 2003年11月の経済財政諮問会議[http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2003/1121/minutes_s.pdf] において、
公立図書館、博物館、公民館、これはさきの通常国会で地方自治法の一部改正により、指定管理者制度が導入されました。今後は 館長業務等を含めた全面的な管理運営の民間委託が可能であることを明確に周知したいと考えております。
という方針が示され、その後、各地で指定管理制度に移行する図書館が増加していくことになりました。
日本図書館協会の 図書館における指定管理者制度の導入の検討結果について 2011年調査[http://www.jla.or.jp/Portals/0/images/committe/torikumi/sitei2011.pdf] によれば、2010年度までに指定管理者制度を導入した市区町村立図書館は、273館(8.7%)となっています。

「図書館は指定管理になじまない」発言:

平成22年に、総務省は総務省自治行政局長名で、 指定管理者制度の運用について[http://www.soumu.go.jp/main_content/000096783.pdf] という文書を出します。これは、おおざっぱに言えば、
  • 指定管理者制度は「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときに活用できる制度」であり
  • 単に価格で決めてはいけませんよ
  • 複数の事業者の計画からしっかり選びましょうね
  • 指定管理者の雇用条件にも留意をしましょうね
というものであり、この後の、 平成23年1月5日の片山総務大臣閣議後記者会見の概要[http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_03000154.html] によれば、
何かですね、 指定管理者制度が導入されてから今日までの自治体のこの制度の利用の状況を見てみますと、コストカットのツールとして使ってきた嫌いがあります。もちろんそれは全く否定するものではありませんけれども、 指定管理者制度というのは、一番のねらいは、行政サービスの質の向上にあるはずなのです。俗にお役所仕事とかですね、そういうものから脱却をして、 民間の創意工夫とか、それから経験とか、そういうものを導入することによって、ともすれば画一的で、規則などに縛られて、利用者本位ではないと批判されてきた公の施設の利活用について、新風を吹き込みたいと。行政サービスの質を向上したい、住民の皆さんの満足度を高めたいということなのです。ところが、そっちの方よりも、むしろ、外注することによって、アウトソースすることによって、 コストをいかにカットするかというところに力点が置かれてきたような印象を持っております。特に、私などが懸念していますのは、本来、指定管理になじまないような施設についてまで、指定管理の波が押し寄せて、現れてしまっているという。
(略)
例えば、 公共図書館とか、まして学校図書館なんかは、指定管理になじまないと私は思うのです。やはり、きちっと行政がちゃんと直営で、スタッフを配置して運営すべきだと、私なんかは思うのですね。私が鳥取県知事のときもそうしてきました。だけど、じゃあ、それが法律にそう書いてあるのかというと、必ずしもそうでもない。
(略)
もう一つの認識は、これ指定管理だけではなくてですね、従来からの外部化というものを、総務省として随分進めてきました。定員削減とかですね、それから総人件費の削減という意味で、アウトソースというものを進めてきたのですね。それがやはり、 コストカットを目的として、結果として官製ワーキングプアというものを随分生んでしまっているという、そういうことがありますので、それに対する懸念も示して、少し見直してもらいたいなという、そういう気持ちもあって、お出ししたわけです。
という背景で出されたということが分かります。
これが、いわゆる 「図書館は指定管理になじまない」発言 です。

(続く)
*1: 地方自治法第244条1
*2: 行政から館長を任命して、指定管理者に職務代表者を置くような形で取り組んでいる自治体は現在でもあるようです。

■ 関連記事

詳細はこの日の詳細から

2005年06月30日(木)<< 前の日記 | 次の日記 >>
この日の詳細

■1 顧客情報6万件を紛失〜三井住友銀行[http://www.smbc.co.jp/news/j500107_01.html][個人情報漏洩][アクセシビリティ]次の記事 >> このエントリーをはてなブックマークに追加

内容は最近繰り返されすぎて間隔が麻痺しているような話なのだけれども、プレスリリースを画像で公開しているので、一瞬、 <資生堂>HPに「薄毛は子孫も迷惑」 抗議殺到、おわび[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?200505b&to=200505121#T200505121] の件を思い出したが、 PDFファイル[http://www.smbc.co.jp/news/pdf/j20050630_01.pdf] でも公開している様だ。
さすがに、 三井住友銀行Webアクセシビリティガイドライン[http://www.smbc.co.jp/accessibility/guidelines/index.html] を掲げているだけのことはある。
願わくば、画像を置いたページにPDFファイルへのリンクを配置して欲しいところだ。

■ 関連記事

■2 マル適マーク:ネットにも、安心して使える環境拡大狙い[http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050629k0000m040152000c.html][言論統制]<< 前の記事 | 次の記事 >> このエントリーをはてなブックマークに追加

インターネットに情報を供給する業者に対し、“ネット版マル適マーク”として「コンテンツ安心マーク(仮称)」を与える制度を、06年度に始める方針を明らかにした。
公式資料としては、 「コンテンツ安心マーク」(仮称)制度の創設の推進[http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/anshinm%20.pdf] が参考になるだろう。
こういった、レイティングシステムは色々あるし、保護者や教育現場がそういったシステムを利用するのは良いと思う。
だけれども、レイティングシステムを導入することは、コンテンツの善悪の判断を委ねることだから、そこには選べる自由が必ず無いといけない。
そういう意味で、国家がレイティングシステムを推進していくのは、「表現の自由」のみならず、良心の自由への抵触が懸念される。
ブラックリストで排除すると「表現の自由」に抵触する恐れがある。また、海外サイトには 管理が及ばないため、 まず「ホワイトリスト」方式を進める。
インターネットでの言論を「管理」しようと思っていて、「まず」ホワイトリスト方式を進めようとしている様に読むのは、心配のしすぎだろうか。
インターネットでの言論の規制については、既存メディアはネットでの発言が規制されることによって自分たちへの脅威が減るわけだから、規制賛成の世論を作ろうとする。
既に発言権を持っているネット事業者の一部も、既得権益の確保を条件に賛成に回るだろう。結局、権力を持っている側と持たざる側の構図になってしまう。
インターネットと言論の自由の将来が心配だ。

■ 関連記事

■3サーバのお引っ越しとPostgreSQL移行[おしごと]<< 前の記事 このエントリーをはてなブックマークに追加

pg_dumpallしてデータ移行をして動かしてみたら、高速なマシンに移行した筈なのに非常に遅い。
「読み込んだばっかりだから、vacuum関係ないよなぁ」と思いつつ試したけども効果無し。しばらく悩んだけれども、ANALYZEするのを忘れていたことに気づいた。
さすがに早くなった。
某チャネルで、vacuumdb -zでも良いということを教えてもらった。

■ 関連記事

詳細はこの日の詳細から

2004年06月30日(水)<< 前の日記 | 次の日記 >>
この日の詳細

■1 続・夜間金庫前に偽金庫設置、投入した133万円盗まれる[http://www.nantoka.com/~kei/diary/board.cgi?act=read&msgid=112][セキュリティ]次の記事 >> このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを頂きました。
自社ドメインじゃなくて外注ドメインを使っていたときに「自分でやらないなんて無責任な会社だ」と思ってしまう消費者意識を変えるところから始めないとまずそうですね。 コストや技術力を考えた場合、外注するほうが合理的で安全な場合が多いと思うのですが。

自社でやるか外注でやるかについては、この問題に関してはニュートラルな積もりだったのですが、読み返して見ますと、確かに外注することがネガティブに見える書き方になっていました。
以前、 トラコスにユーザーサポートを外注している企業は珍しくない[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?200307c&to=200307292#T200307292] の項でアウトソースについて書いたのですが、上手に使えばアウトソースは会社側にとってもユーザー側にとっても、よりよいサービス提供を行える可能性があります。
しかし、otsuneさんご指摘の様に、「自分でやらないなんて無責任な会社だ」の様な私的があることも事実でしょう。
ただ、私はサービス提供側にも問題があって、これは顧客側の意識と鶏と卵かも知れませんが、ヨソにアウトソースしていることを隠したがる傾向にも問題が潜んでいるのではないかと思います。
特に今回取り上げたSSLの話に関しては、アウトソースしているならアウトソースしているなりに、アウトソースしている事を顧客に告げないと、信頼性において問題が生じる構造になっています。
今回取り上げた銀行はまだ良いほうなのですが、以前にはアウトソースした上に、アドレスバーでアウトソースしたことが分かるのが嫌だったらしく、わざわざJavaScriptを使ってアドレスバーが出ないウインドウを開いていた事例もありました。
アウトソースにおけるルール作りを整備していく必要があると思います。

■ 関連記事

■2RSS対応[hns]<< 前の記事 このエントリーをはてなブックマークに追加

■ 関連記事

詳細はこの日の詳細から

2000年06月30日(金)<< 前の日記 | 次の日記 >>
この日の詳細

■1おでかけ[i-mode] このエントリーをはてなブックマークに追加

朝一便で上京ですよ。 担当のT氏が来ないです。

来たです:

座席指定を変更してもらいます。

帰り:

打ち合わせが押して、最終の飛行機に間に合わなくなりそうになってあわてる。 浜松町までタクシーにしてリカバー。

■ 関連記事

詳細はこの日の詳細から

以上、13 日分です。

指定日の日記を表示

前月 2019年11月 翌月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近の日記

2019年04月01日

新元号「令和」について

2019年03月23日

DXアンテナ ワイヤレスチューナー メディアコンセント DMC10F1

2019年02月17日

#例のグラボを活用する

2019年01月03日

シリーズ5・myHomeAlexaで自分のCDをかける

2018年12月25日

シリーズ4・英語の楽曲・アルバム・アーティスト名をカタカナに直す

2018年12月23日

シリーズ3: Echo Dotがやってきた

2018年12月19日

続・Echo Dotがやってきた

分野別タイトル一覧


全て
CLIP
SYA!nikki
book
freebsd
hns
magic
おさけ
おしごと
お買いもの
ぐる
ごはん
アクセシビリティ
オープンソース
セキュリティ
音楽
地域情報化
電子自治体
日記

予定

    ToDo

      link

      keikuma on Twitter

      keikuma Name:前田勝之
      Location:長崎市
      Web:http://www.nantok...
      Bio:前田勝之(まえだかつゆき)。長崎在住。コンサル、SE、プログラマー、 なんとか株式会社代表、非常勤講師(情報セキュリティ)。 セキュアド、テクニカルエンジニア(SV,NW)。サーバ管理とWeb日記を10年ほど。 ネットとリアルの接点に関心あり。食べること・歌うこと・愛すること・作ること・飲むこと。おいしいものがぜんぶすき。

      サイト内検索

      Google AdSense

      Powered by hns-2.19.9, HyperNikkiSystem Project