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■1 シリーズ武雄市TSUTAYA図書館(15) - みんなの図書館 2013年2月号「武雄市新図書館構想について」[http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/publish/%E9%9B%91%E8%AA%8C%E3%80%80%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8/2013%E5%B9%B4/2%E6%9C%88%E5%8F%B7/][武雄市][図書館][CCC][TSUTAYA図書館]次の記事 >> このエントリーをはてなブックマークに追加

みんなの図書館2013年2月号に掲載された、武雄市新図書館構想に関する記事を転載します。

武雄市新図書館構想について


武雄市新図書館構想については、昨年5月の蔦谷書店代官山店での発表以来、様々な懸念や問題が指摘されてきており、図書館問題研究会、日本図書館協会、名指しはしていませんが日本文藝家協会等の団体も、それぞれの要望や提言等を行ってきています。

また、全国の図書館利用者や図書館に関わる方々も、懸念や問題点を指摘しており、要望計画の発表から半年を経過し、改修工事が開始された現在でも、様々な議論が行われているところです。

新図書館構想に関して指摘される懸念や問題点は、利用者を無視した計画の進め方をはじめとして非常に多岐にわたっていますが、Tポイントカードの導入に関する問題は、一地方自治体の公共図書館の問題に止まらず、全国の公共図書館の存在意義に関わる大きな問題につながるものだと考えます。

そこで、本稿では特にTカードによる購買履歴の収集について確認し、その様な仕組みが図書館に取り入れられることが「図書館の自由」にどのような影響をおよぼすかを検討してみたいと思います。


Tポイントカードについて


Tポイントカード(以下、Tカード)について、レンタル会員証にもなって、ポイントが貯まるカードという認識をされている方が多い様です。

加盟店で買い物をした際に、レジでTカードを出すとポイントが付与されます。

この時、Tカードを運営するCCCは「誰が・いつ・どこで・何を」購入したという、個人の履歴情報を取得することになるのですが、この、CCCが履歴情報を取得するという点を意識している方は少ない様に思います。

履歴情報がその場限り、その店舗限りではなく、長期にわたって多くの場所で収集され続けることは、個人のプライバシーに深刻な影響を与えかねません。

「いつどこにいたか」という情報だけでも、長期にわたって収集されれば、その中からは、他人に知られたくない行動が見えてくる可能性が出てきます。

さらに「何を買ったか」という情報については、書籍や雑誌からは明らかにその人の興味が見えてくるでしょうし、好みの飲食物の傾向、食生活も見えてくるでしょう。

既に報道されている通り、ドラッグストアを通じて、医薬品を購入した際の医薬品名も収集されています *1 。他人に知られたくない病気の治療のために薬を購入した人もいるでしょうし、妊娠検査薬を購入した未婚女性もいるでしょう。処方箋薬へのポイント履歴からは、その期間、通院して処方箋薬を処方される病気にかかっていたということが分かります。

CCCは、この様な個人の履歴情報を収集して、会員一人一人の「ライフスタイル分析」を行って、広告主にマーケティングのための手段を提供することを、事業目的の一つとしています。

具体的には、ファミリーレストランでお子様ランチを良く頼む利用者は、子ども向けの商品を買う可能性が高いと判断し、レジで近所の玩具店のクーポンを発行して来店を促すマーケティング手段 *2 や、レンタルビデオの利用履歴や雑誌の販売履歴をもとに、例えば韓流タイトルを良く借りている人向け、ビジネス誌を購買している向けにダイレクトメールを発送するといったマーケティング手段 *3 を提供しています。

Tカードは、レンタル会員証やポイントカードであると同時に、こういったビジネスに利用するための個人の履歴情報を取得する道具でもあります。


「公営 vs 民営」という論点


新図書館構想ついて、特にマスコミ報道では、指定管理の是非や、「公営 vs 民営」という観点で取り上げられる機会が多いようです。

しかしながら、新図書館構想の問題が、「公営 vs 民営」の問題としてのみ取り上げられることは、本件特有の問題を見えにくくしてしまっていると考えます。

確かに、日本図書館協会の「武雄市の新・図書館構想について」で解明されるべきこととして取り上げられた、指定管理者制度導入の理由や、手続き、労働環境といった問題は無視できない問題ですし、公共図書館全体に関わる大きな問題であると思います。

しかしながら、全国300近くの指定管理館と武雄市新図書館を同じ指定管理館と見て、「公営 vs 民営」の問題と見ることは果たして適当でしょうか。

これまでの指定管理館において指定管理者は公営館同様、図書館利用者の秘密を守ることを図書館運営にあたって当然の責務として業務にあたってきたはずですし、また、事業者全体としてみた際に、利用者の個人情報を収集して利用したいという意欲を持った事業者が指定管理者となっているケースはないはずです。

しかしながら、武雄市新図書館の指定管理者となるCCCは、個人情報を収集し、分析して、マーケティング情報として提供することを事業の一つとしている事業者です。

CCC増田社長は、「本のポイントビジネスを始めたのは、本の売り上げを伸ばしたいのではなく、本の購買履歴からその人の消費ニーズを察知したいから」 *4 と語っていますが、興味があること・知りたいこと・困ったこと・悩んでいることは読書履歴に現れます。マーケティング上の価値は非常に高いでしょう。

読書履歴を事業に利用したいという意欲を持つ事業者が、公共図書館の指定管理者となることこそ、武雄市新図書館構想特有の問題だと考えます。


選択制ならば良いのか


利用者カードがTカードに完全移行することを強制されるわけではない様だし *5 、読書履歴は送らないと言っている様だから大丈夫なのではないかという主張があります。

しかしながら「図書館の自由が守られるためには、利用者の秘密が守られなければならない」という命題に基づけば、やはり、「図書館の自由」が侵されると考えます。

「利用者の秘密を守る」ことは、利用者個人のプライバシーが守られるということにとどまらず、「図書館の自由に関する宣言」において言明し、実践し、利用者の信頼を得ることを通じて、自由な資料の利用につながるものです。

仮に、図書館が利用者の秘密を守っていても、それを言明せず、また利用者から信頼されることがなければ、利用者は他人に知られたくない本を借りることをためらうでしょう。 実際に秘密を守ることと同様、利用者から「秘密が守られる」という信頼を得ることは、「図書館の自由」を実現する上で、不可欠のものだと考えます。

利用者の行動履歴を収集することができるTカードを利用者カードとして使い、個人情報を収集する企業が運営にあたる公共図書館は、「秘密が守られる」という信頼を得ることができるでしょうか。

利用者にポイントが付与される際には、書名はともかくとして「いつ・誰が・武雄市新図書館で・何冊の本を借りた」という利用事実が収集されます。
「図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない」のではなかったのでしょうか。

会員規約に書いてあるのから良いという主張はあろうかと思いますが、果たして全ての利用者が行動履歴を収集されることとその影響を理解した上で、Tカードを使っているでしょうか。ポイントを付けてもらえば、その日、その時間に、武雄市図書館を利用したという情報が記録され、分析、利用されるということを理解しているでしょうか。さもなければ、都度具体的に利用者に対してこういった説明をする必要があるのではないでしょうか。

いずれにせよ、図書館業務の中で、利用者の利用事実を利用者以外に提供する図書館は、「宣言」からはかけ離れた存在と言わざるを得ないでしょう。

Tカードを使用しなければ、こういった心配とは無縁なのでしょうか。

情報公開請求を通じて入手した資料によれば、新図書館のシステムは、TSUTAYAでのレンタルと図書館での貸出が、シームレスに連携されたものとなる様です。

前述の通り、TSUTAYAのレンタル履歴は、CCCに収集され、分析され、マーケティングに利用されることになります。同じシステムで図書の貸出を受け、利用者カードだけが違う。この状況で利用者は「秘密が守られる」と感じることができるでしょうか。

市と指定管理者との契約で、読書履歴を収集することは禁止するとされています。

しかしながら、利用者が「秘密が守られる」という安心感を得るためには、「契約で禁止している」と主張することで十分でしょうか。「情報を漏洩しません」と契約書に書けば、情報漏洩は起きないと安心できるでしょうか。信頼を得るためには、それを裏付ける取組みと仕組みが不可欠だと思います。

個人情報の収集を事業としている企業が運営にあたる図書館が、利用者から「秘密が守られる」という信頼を得られるかどうか。これは非常に難しい課題だと考えます。


他の公共図書館に与える影響


武雄市の新図書館構想が、他の公共図書館に次の様な影響を与えることを懸念します。

ひとつは、新図書館開館後に、これが「民営化の成功事例」として、マスコミ等に取り上げられ、「図書館の自由」をないがしろにした形での民間委託の推進につながること。

もうひとつは、図書館利用者に対して、「図書館の自由」の存在感が低下することです。
新図書館は、この規模の図書館としては破格ともいえる7億5千万円の大規模改修 *6 を行ってオープンし、スターバックスが入り、有償とはいえ新作のDVDが並び、販売とはいえ多くの雑誌が並ぶ。さらに、Tカードを出せばポイントが付きます。

図書館を無料貸本屋としてのみとらえた場合、これはなかなか魅力的ですし、そういった観点で報道する限り、あたかも素晴らしい図書館であるかの様な報道がなされることになるでしょう。

また、図書館利用者の多くが、これまでの利用体験を通じて図書館を無料貸本屋としてしか認識していないということも、残念ながら現実だと思います。その様な利用者にとっては、新図書館は魅力的な図書館に映るでしょう。

こういった中で、「図書館の自由」という公共図書館の存在意義の根幹にかかわる問題がないがしろにされたまま、武雄市新図書館が評価され、また、その様な図書館を望む利用者が増えることは、図書館の自由を守る上で大変な脅威だと感じます。

図書館の運営にあたっている方々は、「図書館の自由」について、考え、実践し、また「図書館員の倫理綱領」を自らの倫理として、日々業務にあたっていらっしゃると思います。
一方で、「宣言」や「倫理綱領」の必要性や意義は、利用者にはどの程度伝わっているでしょうか。
私自身は、岡崎図書館事件や今回の新図書館構想を通じて、知る自由や民主主義を具現化する施設としての公共図書館は、「宣言」と共にあるものだと確信するに至りました。
しかしながら、多くの図書館利用者にとって、「宣言」はどの程度の存在感を持っているでしょうか。

宣言は利用者に理解されてこそ、その意義が発揮されるものだと考えます。

図書館が利用者の秘密を現実に守ることは当然として、利用者から「秘密が守られる」という信頼を得てはじめて、何でも借りられるという自由が成立するのではないでしょうか。

この4月には、新図書館が開館することになり、新図書館に関してメディアで取り上げられる機会も多くなるでしょう。

その様な状況の中、改めて、「宣言」は図書館員だけのものではなく、利用者にも「図書館活動を通じて図書館の自由の尊さを体験」してもらうことが重要になってきていると考えます。


最後になりますが、一図書館利用者である私に、本稿発表の機会を与えて下さった研究会関係者の方と本誌読者の皆様。この問題を考えるにあたって、様々な視点を与え、また実際の現場の状況をお教え下さった図書館員の方々。Twitterを中心にネット上で、新図書館問題とその周辺の問題について情報や論点を提供して頂いた皆様、各々に感謝いたします。

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新しいデザインのスクリーンショット
日記のテーマを今風というか、デザインをある程度重視したものに変えてみようと思いながらいじりつつある。 作成中。こういうのはやはりセンスが重要だと思うし、デザインの才能はないなと痛感する。
実際にいじるのはなかなか大変で、まず、日記のサンプルを表示した状態でhtmlファイルを保存して、これを書き換える格好で、htmlとCSSを同時進行で編集していく。
theme.phでいじれるところとそうでないところは、大体見当が付いているのだけれども、あやしいところは確認しながら作業を進めるわけだ。
最初はtheme.phを直接編集してたのだけれども、試行錯誤をやる過程では、htmlファイルをいじって確認した方が早い様だ。
htmlファイルができあがった時点で、theme.phに反映させる事にする。
かなりCSS依存度の高いデザインになっているので、CSS非対応のブラウザで変な事になっていないかどうか、複数のブラウザで見栄えをチェックしながら作業していたけれども、まぁ許容できる範囲ではないかと思う。
本当はこの機会に、htmlの非推奨要素をクリアしようと思ったけれども、そこまでできそうにはなかった。カレンダーや他のサイトからの切り貼りもあることなので、妥協する事にした。
こうやって、複数ブラウザ開いたりすると、画面が広いのはすごく嬉しい。
作業中のデスクトップのスクリーンショット

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■2 続・日本語.jpのフィッシング詐欺対策に「ソ二一.jp」問題は含まれているのか[?200502c&to=200502213#200502213][セキュリティ]<< 前の記事 このエントリーをはてなブックマークに追加

日本語というか多バイト文字集合を持っている国では考えないといけないことが非常に多いのではないかと思う。
JPドメイン名は対策済みです[http://日本語.jp/access/phishing.html] には、
日本語JPドメイン名として使用できる文字を漢字・仮名・英数字に限定しています。そのため、キリル文字など英数字に非常によく似た文字が混在したドメイン名は登録できません。したがって、今回指摘された例にある不正サイトは、JPドメイン名には存在していません。
とある。確かに、「今回指摘された例にある」不正サイトは、JPドメイン名には存在しないかも知れないが、JPドメインを使うと同様の対策されていない問題にぶつかるのではないか。
日本語には字形の良く似た文字があって、画数が多い漢字は特にアドレスバーでは見分けが付かない文字が出てくる。例に挙げた「二」と「二」の他にも、これは探せばいくらでも出てくる。
もう一つ注意しないといけない問題があって、意味も読みも同じだけれども、文字コードとしては違うという文字もある。「瀧」と「滝」、「龍」と「竜」等が代表格だ。
秀逸な例を見つけた。 養老乃瀧.jp[http://養老乃瀧.jp/] というドメインは既に取得されているが、「養老乃滝.jp」は登録されていない。 「養老之瀧.jp」「養老之滝.jp」「養老の滝.jp」「養老の瀧.jp」等も登録されていない。
商標の場合は、発音や見た目、概念で類似している商標は受け付けないだけの審査をやっているけれども、日本語.jpが「対策済み」としている対策には、機械的なルールだとしても、その様な審査が入っているのだろうか。
もっとも、こういう問題は、ドメイン名にハイフンを含むか含まないか、ローマ字が訓令式かヘボン式か、外来語をローマ字読みにするか正しいスペルにするかといった事で、実は昔から存在した問題だ。日本語.jpではこの問題は解決できないと言ってしまうのは当然ありだ。
それを、
日本語JPドメイン名では、上述のような既存のドメイン名と視覚的に非常によく似たドメイン名を使用した不正サイトの存在は起こりにくくなっています。
IDNの導入で起こりえる問題を認識し、サービス導入時から対応策を実施してきている日本語JPドメイン名は、安心してご利用いただけます。
と言ってしまうのは、もし上記の様な問題が解決されていないのだとすると、「日本語.jpを使えば視覚的に非常によく似たドメイン名による詐欺に遭いにくい」という誤った思いこみを招くのではなかろうか。
  • 日本語JPドメイン名では、
  • 上述のような
  • 既存のドメイン名と視覚的に非常によく似たドメイン名
  • を使用した不正サイトの存在
  • は起こりにくくなっています。
「上述のような」は、キリル文字や半角、全角の話であって、「(キリル文字や半角、全角の錯覚を使用した)既存のドメイン名と視覚的に非常によく似たドメイン名、を使用した不正サイトの存在、は起こりにくくなっています。」と読むのかも知れない。だとすれば、この文章では漢字に関しては言及していない事になる。注意して読みとる必要がある。

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■1バージョンアップ[hns] このエントリーをはてなブックマークに追加

currentに追随するようにしてみた。

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■1 Word2TeX[http://catv-8-109.medias.ne.jp:10080/~takayuki/diary/?200102c&to=200102251#200102251] このエントリーをはてなブックマークに追加

この間のプロジェクトで,その逆が欲しいと思ったのです。
それなりに変換してくれるものや手段は見つけたのですが, バッチリってのがなかったですね。

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